開店、開業祝いに失敗しないノベルティグッズ選び
・「無料プレゼント」は本当に悪なのか?
・自社商品の割引サービスは逆効果
・景品と一緒に次回の割引券を渡すのが効果的
・低コスト、小ロットで作れる「生ラーメン」がお勧めな理由
「無料プレゼント」は本当に悪なのか?
お店にとってオープン祝い、開店祝い、周年記念は非常に重要なイベントです。スタートダッシュでどれだけ多くのお客様へ認知されるかが、今後の集客に大きな影響を与えます。開店直前は忙しくて販促企画に手が回らない人も多いですが、ここは念入りに企画をしっかり練った方がいいと思います。
オープン記念や周年記念で集客数をあげたいのであれば、「来店してくれたお客様へ全員プレゼント」という粗品や景品のプレゼント企画がもっとも手っ取り早いです。
「このチラシを持参してくれたお客様全員に○○プレゼント」という景品や粗品を手渡す企画を展開すれば、プレゼント景品欲しさにお客さんがやってきてくれるので、集客数を一気に増やすことが可能になります。
「そんな無料プレゼントで集めたお客さんなんて意味ないよ」
そう反論される方も多いと思いますが、実際のところ、たくさんの人を集めて、その中から見込み客を掘り起こしていく方が、小さな店のオープン記念イベントとしては効率的と言えます。「商品の良さを分かってくれるお客様だけに来て欲しい」という店主の気持ちも理解できるのですが、その戦略を取ってしまうと、エリアが狭かったり、ニッチな商品やサービスの場合は、告知宣伝を繰り返しても、広告コストだけが嵩んでしまい、いつまで経っても見込み客と接触できず、売上につなげることができなくなってしまうのです。
自社商品の割引サービスは逆効果
しかし、ここでひとつだけ大きな問題が出てきます。それは、来店者全員にプレゼントの景品企画を展開してしまうと、どうしても販促コストがかかってしまう点です。たとえば、来店した際に1人500円の粗品プレゼントをした場合、100人のお客様が来店したら5万円の予算を出すことになってしまいます。いくら顧客を獲得するための粗品のコストといっても、5万円の出費は小さなお店にとって大きな出費になってしまいます。
また、顧客を獲得するために、自社の商品やサービスを安売りしてしまうのも失敗の戦略と言えます。たとえば、美容室がオープン記念で5000円のカット料を半額の2500円で出したとします。それを目当てに多くのお客さんがやってくるかもしれませんが、一度、そのような安売りをしてしまうと、お客さんにとって、その美容室は2500円の価値のままで終わってしまうため、どうしても次回に5000円を支払ってカットをしにいくのに躊躇する気持ちが芽生えてしまいます。
このように、集客をしたいからといって、自社の商品やサービスを値引きすることは、できるだけ止めた方がいいでしょう。
景品と一緒に次回の割引券を渡すのが効果的
集客するために、一番適した景品や粗品は何でしょうか? 以下にその条件をいくつかまとめてみました。
・安いこと
・オリジナルの景品であること
・お店からのメッセージが伝えられること
この3点です。すでに新聞折込チラシやポスティングなどの宣伝コストがかかっているわけですから、粗品や景品にお金はかけられません。また、既存で売られているようなポケットテッシュや文房具などは、いかにも「粗品」という景品なので、もらったほうがオマケ的なものをもらったという感覚になってしまい、逆に満足度を引き下げてしまうことにもなってしまいます。
どうせ多くの人に配るのであれば、店の宣伝も少しはしたいですし、次回の来店に繋がる広告やチラシ、メニューやクーポン券なども、一緒に手渡したいところです。
低コスト、小ロットで作れる「生ラーメン」がお勧めな理由
そこでお勧めなのが、「ラーメン」です。オリジナルOEMのラーメン屋さんでは、生麺にスープをつけたものを、オリジナルで制作することが可能です。
「オーダーメイドでラーメンを作るとお金がかかるんじゃないの?」
そう思われるかもしれませんが、実際は既存のラーメンの麺とスープを使い、パッケージだけ変えるOEM方式を利用するので、低コストでオリジナルのラーメンを作ることが可能になります。
パッケージのところに、お店のロゴやメッセージを添えることもできますし、クーポン券付きのチラシを挿入したパッケージも制作することが可能です。
店舗のオープン記念のイベントで「来店者全員にラーメンプレゼント」というキャッチコピーがつくだけでも、集客用のチラシやDMにインパクトが出てくると思います。仮に余ったとしても、近所の人に配ったら喜ばれる商品ですし、家族で夕飯として食べてしまうこともできるので、在庫を抱えて悩むこともありません。
安っぽい粗品や景品を渡すぐらいなら、オリジナルのラーメンを配って、お客さんの認知度も満足度も両方上げる施策をとっても面白いと思います。
監修/経営コンサルタント 竹内謙礼